魑魅魍魎(ちみもうりょう)
映画「妖怪大戦争」において水木しげる、京極夏彦、荒俣宏、宮部みゆきが「プロデュースチーム『怪』」として製作に参加したことはつとに有名なんですが、その中の一人で妖怪キャスティングも行った京極夏彦氏の文庫(っと言っても彼の作品は文庫でも縦に立つんです)版「魍魎の匣」を読み終えました。
京極 夏彦
昨年は「妖怪大戦争」の露払いとして「姑獲鳥の夏」が公開され、あの長台詞が言える役者として堤真一の評価が一躍上がったと聞きました(笑)
さて、前作「姑獲鳥の夏」よりもさらにおどろおどろしく、戦争という言葉がさらに身近に語られる本作。
闇が真の闇であったこの時代。
やはり今回もC.Kに相応しい役所が用意されていました。
薄幸の美少女柚木加奈子です。
筺に詰められたその姿を想像するだけで震えが起こってしまうのは私だけでしょうか?
しかし、ラストシーン
私は想像する。
遙かな荒涼とした大地をひとり行く男。
男の背負った筺には綺麗な娘が入っている
なんて一文を読むと、なぜか私
心霊 緒方直人 山口紗弥加
この中の「赤い鼻緒の下駄」という秀作を思い出してしまいました。
白秋や一葉の詩をちりばめつつ進められる哀しい幽霊譚。
やはり…彼女には哀しい「ひとにあらざるもの」がよく似合う…と思った暑い熱帯夜。