「六番目の小夜子」物語その二
~ジグソーパズル~
どうにも納得がいかなかった!
ドラマのラストシーン。
桜吹雪の校庭。
駆け寄る生徒達。
口々に呟く「サヨコだ…」「サヨコよ…」
何かに憑かれたように、靴箱の上の花瓶に生けてある赤いバラを凝視する生徒達の後ろを、涼やかに通り過ぎる黒髪の少女。
その時、鈴の音がどこからともなく鳴り響く。
逆光の中、振り返った少女の顔は、紛れもなく津村沙世子だった…。
もちろん賛否両論あって…「あのラストが良い!」って意見にも理解は出来る。
が、納得は出来ない…今も。
だからこそ、津村沙世子=栗山千明に興味が湧いた。
途中まで完成したように見えるジグソーパズルを組むようなものだ。
しかも!
このパズル、残ったピースが合わねぇんだ!(爆)
微妙に形が違うのだ…自分なりに納得出来ないのだ。
なんであの時彼女はそこにいたんだ?
なぜ?どうして?彼女は…
次々に浮かび上がる疑問。
瞬く間に彼女=津村沙世子は私の心の中で蠢きだした。
語りかけてきた。
「津村沙世子はちょっと変わっているけれど、どこにでもいる、至極普通の転校生の女の子だった。」
私の出した結論はこれである。
すると…魔女狩りのごときラストシーンに無性に腹が立ってきた。
なんか…津村沙世子が可哀相で…彼女になにかプレゼントを渡したくなってきて…
別に何を望んだワケじゃない。
彼女が動き出したいと心の中で私にねだり、私はあ~るという犬になって彼女の行動を解説する。
外伝というよりパラレルストーリー。
掲示板に連載するときは三ヶ月もの間、話が続くとは思っていなかったし、C.Kの演技に対し、これだけ夢中になるとは思いもしなかったのだ。